2008年11月 水に始まって、水に終わる。


料理に欠かせない要素といえば、素材、料理人の技術や感性、そして水ではないでしょうか。水は料理に使うことはもちろん、あらゆる素材を育むもの。おいしい水のある土地には、おいしい食材がありますよね。

水はよく「硬水」「軟水」で区別されますが、これは水の硬度によって決まります。硬度は水分中のカルシウムとマグネシウムの合計量を数値で表すもので、硬度100未満が軟水、硬度100〜300が中硬水、硬度300以上が硬水。カルシウムとマグネシウムが軟水は少ない、硬水は多いということですね。

ご存知と思いますが、日本の水は軟水、ヨーロッパの水は硬水です。最近は身体に不可欠なカルシウムとマグネシウムが簡単に補給できるとあってヨーロッパからいろいろな硬水が輸入されていますが、「鉄っぽい」というか独特の味がするんですよね。私も渡仏した当初は水が合わず、お腹の調子が悪くなりました。また洗濯しても泡が立たず、「本当に汚れが落ちるのかな」と心配したものです。

一般的には「軟水の方が料理に適している」といわれますが、ダシをとったり、ご飯を炊いたり、日本の料理には軟水がいいでしょう。硬水はフォンドボーやブイヨンを作るのに適しています。肉や野菜のアクがとれ、旨みがよく出る。ただフランスでも料理やソースの仕上げにはペットボトルの軟水を使っていました。味がデリケートになりますね。

私の故郷である北海道・利尻島の水はとても冷たくておいしかった! フランスの水にお腹がビックリしたのも、おいしい利尻の水で育ったからかもしれません。まさに水は生命の源。もちろんプラスモンジュでも良質の水を使っています。フレンチの核となるソースも源は水です。だから料理の最初と最後は水を使う。とても大事ですね


海 津 彰 訓

2008年10月 素材の旨みをそのままに。


先日、あるテレビ番組で「2008秋冬に流行する鍋は“蒸し鍋”」と紹介されていました。鍋には毎年流行があるようで、イタリアン鍋、カレー鍋、チーズ鍋ときて今年は“蒸し鍋”なんだとか。テーブルに積み重なった「蒸籠」が運ばれてきて、蒸された具材を好みのタレや塩などで食べるスタイルが主流のようです。

確かに野菜や肉などを蒸すと素材本来の旨みが引き立ち、また余分な脂が落ちるなどしてヘルシーなのでいいかもしれませんね。

フレンチでは「蒸す」ことを「バプール」といい、大変よく用いる調理法です。前菜からスープ、魚・肉料理、デザートまで、すべてのカテゴリーでバプールしますよ。そのため、さまざまな蒸し料理があり、私もよく作るので代表的なメニューを挙げるのが難しいのですが、ひとつご紹介すると日本の「茶碗蒸し」に似た温かい前菜があります。

まず手長エビでコンソメスープをとり、全卵、卵黄、牛乳、生クリームなどを混ぜて、いわゆる卵液を作ります。それをカップに注ぎ、コンソメスープをとる際に使った手長エビとフォグラのポワレ、香味野菜をのせて少しコンソメスープをはってから蒸します。プルプルの食感が楽しく、お客様にも好評ですね。

これから寒くなるにつれ、フレンチでは「ジビエ」のシーズンに入ります。実はジビエもバプールに適した素材。エゾ鹿や山バトなどをフォアグラと一緒にキャベツで包んでバプール。これがおいしんですよ。季節メニューなのでぜひお食べ逃し(?)ないようプラスモンジュにお越しください。


海 津 彰 訓

2008年9月 もっと野菜を食べよう!


今年の夏も暑かったですね。大阪では35度以上の酷暑日が続き、9月に入っても厳しい残暑…。地球温暖化を実感せざるを得ません。

さて、先日「野菜の卸売価格が7月から大幅に下落」という新聞記事を目にしました。野菜の価格は豊作で下落することが多いのですが、今年の供給量はほぼ平年並み。価格下落には「猛暑」が影響しているようなのです。

まず影響のひとつが暑い日に重い野菜を持って帰るのは大変と、購入が敬遠されていること。その上、ガソリン高のため車で行く郊外量販店での買い物が控えられていることも消費量の減少、価格の下落に拍車をかけているといいます。

さらに深刻なのが日本人の野菜離れがますます進んでいること。以前、日本は世界有数の野菜消費国でした。平均寿命で世界トップになった1985年を見ると、一人当たりの年間野菜消費量は112.6kg。「肉ばかり食べている」というイメージがあるアメリカは93.1kgで、日本が上回っていました。ところが1990年代に入るとアメリカは国をあげて野菜を食べようというプロジェクトを開始。たった3年で野菜の消費量が15%もアップし、現在は日本を逆転しているそうです。

しかもアメリカでは野菜の消費量の増加に合わせてガンの死亡率が低下。一方、野菜の消費量が減少している日本はガンの死亡率が上昇。また先進国で野菜の消費量が減少しているのは日本だけとか。う〜ん。これって問題ですよね。

私にとって野菜はメインを引き立て、栄養バランスを整える大切な存在。季節を表現する上でも絶対不可欠です。以前“野菜のフルコース”を作ったことがあります。野菜は立派なメインディッシュにもなるんですよ。

蒸したり、揚げたり、ローストしたり、野菜料理は前菜からメイン、デザートまでバリエーションが広い。また大阪は「なにわ伝統野菜」があったり、「京野菜」が手に入ったりとバラエティが多いことも魅力です。これからも野菜をメニューにどんどん取り入れていきます。プラスモンジュで野菜をたっぷりお召し上がりください。

 

海 津 彰 訓

2008年8月 世界の祭典は人も食事もバラエティ豊か!


いよいよ8月8日から「北京オリンピック」が始まります。日本選手には金メダルをめざしてがんばってほしいですね。

最近何かとお騒がせな中国。北京オリンピックに関してもいろいろなニュースが流れていますが、そのひとつが選手村の食事。味や安全への不安が取り上げられていますよね。私も「本当に大丈夫なんだろうか」と心配する一方、「厨房の料理人は大変だろうな」とも思っています。というのが、私自身、18年前に選手村の料理を作ったことがあるから。北海道で「第2回アジア冬季競技大会」が開催されたとき、私の勤務していたホテルが選手村に選ばれました。料理はビュッフェスタイルで提供するのですが、選手は試合や練習があり、食事時間はバラバラ。それに合わせて料理を用意しなければならないので忙しかったですね。

びっくりしたのは羊がまるごと一頭送られてきたこと。体には焼印が押してあり、『この羊はお払い済みです』という内容の「証明書」が添付されていました。これはイスラム教の選手用で、戒律の厳しい彼らはちゃんとお払いされた肉しか口にしない。料理として出す際には「選手にわかるよう証明書を掲示してください」と指示がありました。

またヒンズー教の選手は牛を食べない。宗教に関わらずベジタリアンの選手もたくさんいました。何の戒律も制約もない私からみると「いろいろなものが食べられてよかった」なんて思ってしまいますね。

選手村には他にもいろいろな食材が届くのですが、ある日、韓国領事館から大きな壺に入った「キムチ」が送られてきました。さっそく韓国選手たちに提供すると食べる、食べる(笑)。あっという間になくなってしまいました。そこで札幌市内の韓国料理店からキムチを仕入れて提供すると、「これは本物じゃない」と食べない。その時は「せっかく仕入れてきたのに…」と思いましたが、国や人種、宗教などによって異なる食文化、食事への考え方などがわかり、いい体験ができましたね。

さて、プラスモンジュではお客様のご要望に合わせた料理もお作りいたします。ご予約の際、好き嫌いやアレルギーなどなんなりとお申し出くださいね。

海 津 彰 訓

2008年7月 星はいくつ輝く?


7月に入り、本格的に暑くなってきましたね。インターネットやガイドブックを見て、夏休みのプランをねられている方も多いのではないでしょうか。そうそうガイドブックといえば、昨年『ミシュラン・ガイド東京』がアジア圏で初めて出版され、話題になりましたね。

『ミシュラン・ガイド』はフランスのタイヤメーカー・ミシュラン社が出版する、世界屈指のレストラン・ホテルのガイドブック。レストランの評価を3つから1つの星で表すことで有名ですよね。

『ミシュラン・ガイド』の誕生は1900年。当時珍しかったドライブを広めることが目的で、地図やドライブイン、ガソリンスタンド、修理工場などが掲載されていたそう。1926年から料理の美味しいレストランがあるホテルを星で評価するシステムがスタートしました。

評価は、調査員が身元を明かすことなく一般客と同じようにレストランやホテルを訪れて行われます。レストランは1.素材の鮮度と品質、2.調理技術の高さと味付けの完成度、3.オリジナリティ、4.コストパフォーマンス、5.つねにクオリティを保つ料理全体の一貫性という5つのポイントから評価され、星は「3つ星:そのために旅行する価値がある卓越した料理」「2つ星:遠回りしてでも訪れる価値がある素晴らしい料理」「1つ星:そのカテゴリーでとくに美味しい料理」を意味しています。

さて、覆面調査は毎年行われており、私がフランスで働いていた3つ星レストランにも調査員がやってきました。もちろん、表向きには調査員ということはわかりませんが、ホールのスタッフによると料理についてあれこれ質問してきたり、メモをとっていたり、他のお客様と違うそうなのです。「調査員が来ているよ」とキッチンにも報告が入りますが、料理人たちは特別なことをするでもなく、意識していませんでしたね。

『ミシュラン・ガイド』は東京版に続き、関西版も出版される噂があるそう。プラスモンジュにも調査員がやってくるかもしれませんが、星が付いても付かなくてもお客様に美味しい料理と最高のサービスを提供することが私の仕事であり、喜びです。これからも変わることなくがんばってまいりますので、ぜひ一度足をお運びください。

海 津 彰 訓

2008年6月 旨みをそのまま、ぎゅっと閉じこめて。


6月になるとスーパーなどの店頭に青梅が並びますよね。日本の保存食・梅干しを漬けるためでしょう。またこの時期は梅酒などの果実酒やジャムを作られる方も多いのでは?人びとは太古の昔から食品を長持ちさせるために工夫してきました。塩漬け、砂糖漬け、発酵、乾燥…挙げればキリがありませんね。

フランスでもいろいろな保存食・保存方法があるのですが、今回は「コンフィ」をご紹介します。コンフィとは食肉を低温の油で加熱したもの、果物を砂糖漬けしたものをいいます。

コンフィにする食肉の代表が合鴨やアヒル。Place Mongeでも「合鴨のコンフィ」をお出しすることがあります。合鴨のモモ肉を香草入りの塩水に3日間漬け、約80℃の低温の油でじっくりと煮ます。仕上げに皮目をパリっと焼いて完成。油で煮ることは保存性を高めるだけでなく、肉がパサつかず、余分な脂分を抜く効果も。とろける柔らかさ、凝縮された旨みをぜひ一度お試しいただきたいです。

また「豚肉のコンフィ」も作る予定です。これまでも何度かお出ししているメニューなのですが、今回はホエー豚という希少なブランド豚を使います。ホエー(乳清)は牛乳から脂肪などを取り除いた液体部分。チーズを作る際に上澄みとして残るのですが、ビタミンやミネラルなど栄養豊富で、最近多方面に活用されているとか。ホエー豚はこのホエーを飲ませ、放牧で育てるのでとにかく元気。もちろん肉は柔らかく、脂身も甘くて美味なのです。

どんなコンフィになるか、作る私がワクワクしています。みなさまも楽しみにしていてくださいね。

海 津 彰 訓

2008年5月 思い入れいっぱいのジャガイモ。その2


4月に続き、5月もジャガイモについて書きたいと思います。北海道利尻島出身の私にとって主食以上の存在であり、もうイヤだと思っていたジャガイモ。しかし渡仏したばかりの頃、食生活の変化に体調を崩した私を助けくれたのがジャガイモでした。

フランス人もジャガイモをよく、いや、ものすごく食べます。私がいたレストランではポテトピューレにバターを入れて、トリュフのみじん切りを散らしたものが最高に美味しく、人気でした。
北海道では熱々にふかしたジャガイモの皮をむき、函館産のイカの塩辛をのせて食べる。これがまた美味しいんですよ!

さて、フランスとジャガイモのつきあいは18世紀にさかのぼります。ある年、フランスでは大飢饉が発生。人びとを救うために白羽の矢が立てられたのが生命力が強く、荒れた土地でも栽培可能なジャガイモ。この栽培に尽力したのが農学者でもあったパルマンティエ男爵です。ルイ16世の援助もあり、ヴェルサイユ宮殿やセーヌ河畔などで次々と栽培に成功しますが、一般市民は見向きもしない。そこで畑に「これは王の食べ物につき、盗んだ者は厳罰に処す」と看板を立て、昼間は見張りをつけました。こうなると人間とは不思議なもの。「そんなに美味しいの?」「そんなに大事なの?」と興味がわき、ぜひ食べたいと思うんですね。パルマンティエの心理作戦は大成功。夜間はあえて見張りを外し、ジャガイモ泥棒ができるようにしておいたのです。こうしてジャガイモはフランスに普及しました。

農業大国であり、自給自足率が150%にも達するフランス。ジャガイモも自国の消費分だけでなく輸出も盛ん。種類も豊富です。またジャガイモは許容範囲が広く、蒸したり、揚げたり、焼いたり、つぶしたり…と料理法もいろいろありますが、フレンチでは、多くのジャガイモ料理に「パルマンティエ」という名前が付きます。もちろん、これはジャガイモをフランスに広めたパルマンティエ男爵にちなんでです。

Place Mongeのジャガイモ料理にもパルマンティエがつきます。例えば“ポタージュ・パルマンティエ”。ジャガイモの温かいクリームスープですね。冷たいと“ヴィシソワーズ”になります。

奥が深く、美味しく、故郷・北海道を代表するジャガイモ。これからもどんどんメニューに取り入れていきたいですね。

海 津 彰 訓

2008年4月 思い入れいっぱいのジャガイモ。その1


春になるとたくさん登場する野菜といえば、ジャガイモ。とくにこの時期に出回る「新ジャガ」は皮付きのまま食べられ、美味しいですよね。

さて、私はご承知の通りジャガイモの産地でもある北海道の最北・利尻島出身です。利尻は夏は短く、冬は風が強くてとにかく寒い。食べる物といえば、野菜は家の裏の畑で採れたジャガイモ、キャベツ、トウモロコシが中心。また親父が漁師だったこともあり、魚ばかり。肉が食卓にのぼることはあまりなく、何にでもジャガイモが入っている。何度か抗議したことがありますよ。「ハンバーグを食べさせろ!」と(笑)。

そんなジャガイモへのトラウマでしょうか、料理人になってからはジャガイモをほとんど口にしなくなりました。30歳で渡仏した時はフランスパン、カマンベールチーズ、白ワインなどをキャフェで食べ、パリ気分を満喫。ところが、そのうち体調が悪くなってきて…。一応肉類などはスーパーなどで買って食べていたのですが、どうにも調子が良くならない。この時は「ヤバイ」と思いましたね。
ちょうどその頃、フランス在住経験がある大先輩から電話がかかってきました。私が体調の悪さを伝えると「ジャガイモを食べなさい!茹でるだけでいいから!」といわれたのです。さっそく実行すると、なんと次の日には元気に! ジャガイモはビタミンCをはじめ栄養満点。フランス語では「pomme de terre(ポム・デ・テール)=大地のリンゴ」というくらいですからね。しかしビックリしましたよ。ジャガイモのパワーに。そして「こんなに美味しいんだ」と改めて実感しました。

見るのもイヤだったのに窮地を救ってくれたジャガイモ。それだけに思い入れは深いです。Place Mongeオープンのレセプションパーティーにも“牛肉のパルマンティエ男爵 ラフィーネ風”というジャガイモ料理をお出ししました。そのレシピをご紹介しましょう。

まずタマネギとお好みのキノコ、牛肉、トマトでハッシュ・ド・ビーフを作ります。次に厚めに切ったジャガイモのフライ、マッシュポテトを作ります。グラタン皿にバターを塗り、ジャガイモのフライを並べ、ハッシュ・ド・ビーフ、マッシュポテトを重ねます。最後に八分立ての生クリームをきれいに塗り(左官屋の要領で!)、粉チーズをふってオーブンで焼きます。

大変美味しく、意外に簡単にできます。ぜひ作ってみてください。もちろんPlace Mongeで登場することもありますよ。

海 津 彰 訓


2008年3月 花を愛でる。花を食す。


暖かくなると美しい花が咲き始め、私たちの心に彩りや潤いを与えてくれますよね。春を代表する花といえば、やはり桜でしょうか。また一面に咲く黄色い菜の花も目を楽しませてくれますが、この桜や菜の花をはじめ、花は見るだけでなく、食べることもできるもの。最近は「エディブルフラワー(edible flower)=食べられる花」といって、さまざまな花が売られています。

ヨーロッパでは数百年も前からエディブルフラワーが食材として用いられてきたとか。日本でも古くから食べられていた花もありますが、これほど多彩な品種が出回るようになったのは80年代以降なんだとか。バラ、コスモス、カーネーション、パンジー、ベコニアといったおなじみの花も実は食べることができます。また色の濃い野菜は栄養価が高いことでもわかるように、色鮮やかな花は栄養も豊富。とくにビタミンCやビタミンAがたっぷりで、美容や健康にもいいのです。

さて、プラスモンジュでも花のシーズンになるとエディブルフラワーをよく使います。オードブルに用いたり、エビなどのジュレに散らしたり…見た目の華やかさはもちろん、香り、甘味、苦味などがアクセントになりますね。

プラスモンジュの中庭には「フェイジョア」というフトモモ科の常緑低木があります。ジャムや果実酒などに用いられる実ができるのですが、夏頃に咲く淡いピンクの花もほんのりとモモの香りがしてなかなか美味なんですよ。

いろいろな花がお庭にもお皿にも咲く、春のプラスモンジュへぜひお越しください。

海 津 彰 訓


2008年2月 大切な人にあま〜い贈りもの。


2月14日はバレンタインデーですね。バレンタインデーの起源には諸説あるようですが、そのひとつがローマ帝国時代のキリスト教司祭・ヴァレンティヌスに由来するもの。当時ローマの兵士は「愛する人を故郷に残していると士気が下がる」という理由から結婚を禁じられていました。それを不憫に思ったウァレンティヌスは兵士たちを密かに結婚させていたのですが、秘密が漏れ、処刑されてしまうのです。処刑された2月14日は家庭と結婚の女神・ユノの祭日。この日はパートナーと一緒に過ごす習慣もあったことから、2月14日はバレンタインデー=恋人たちの日となったようです。

欧米では、男女は問わず大切な恋人に花や宝石などを贈ります。もちろんプレゼントにチョコレートが選ぶ人もいますが、日本のように“バレンタインデーはチョコレート”という定義はないようですね。日本でバレンタインデーにチョコレートを贈ることが始まったのは1936年。神戸にある洋菓子メーカーが「バレンタインデーにチョコレートを」という新聞広告を出したことから広く浸透しました。

最近はフランスやベルギーなど有名ショコラティエの高級品も簡単に手に入りますが、「やっぱり手作りのチョコを」という方にワンポイント。もっとも難しく、大切なのが「テンパリング」。チョコレートを湯せんで溶かす作業なのですが、お湯の温度を50℃以下に保ち、チョコレート自体の温度が40℃を超えないように注意。それから一端22〜23℃まで冷ましてから固めると市販のチョコレートのような見事なツヤが出ますよ。

さて、プラスモンジュではバレンタインデーに合わせて、チョコレートを使ったデザートをお出ししようと計画中です。例えば、1997年の料理コンクールで作った“チョコレートとマロンのムース”。ポイントにオレンジを使っていてチョコレートにベストマッチなんですよ。他にもあれこれ考えているのでお楽しみに! 素敵なバレンタインデーをプラスモンジュでお過ごしください。
海 津 彰 訓


2008年1月 今年も幸せな一年に!


あけましておめでとうございます。みなさまは素敵なお正月を過ごされましたか? 今年は曜日の並びが良く、長く休暇をとれた方も多かったようですね。

さて、日本のお正月はおせちやお雑煮などいろいろな料理がありますよね。当然ながらフランスにはお正月料理はありませんが、ひとつ挙げるとすれば「ガレット・デ・ロワ」という1月にいただく特別なお菓子があります。

「ガレット・デ・ロア」はアーモンドクリームをたっぷり使ったパイで、“王様のお菓子”という意味。イエス・キリストが神として見出されたエピファニー(公現祭)の日である1月6日に食べられるのですが、この時にお楽しみがあります。パイの中には「フェーブ」という陶器の人形が1つ仕込まれており、切り分けた際にこの人形が出てきた人が王様(王妃様)に決定! パイに必ず添えられる紙製の王冠をかぶり、みんなに祝福してもらえるのです。しかもこの幸運は一年間続くそう。日本のおみくじに似ているかもしれませんね。

最後になりましたが、今年も「見て食べて感動してもらえる料理」をみなさまに召し上がっていただくため、いっそう精進してまいります。

また美味しさをお届けすることはもちろん、お店やこのホームページを通じて、たくさんのみなさまとコミュニケーションを深めていきたいですね。ご意見やご感想のメールもお待ちしております。

2008年もプラスモンジュを何卒よろしくお願いいたします。
海 津 彰 訓
 
 
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